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会社設立後に行う手続きについて

会社設立後には様々な手続きが必要

■設立後には官公庁関係への手続きが必要

無事、会社が設立されましたら、関係官公庁に税金関係や社会保険関係の届け出が必要となります

各手続きは、一覧すると数が多く手間がかかると感じられるかもしれませんが、大部分の届出用紙は所轄官庁のホームページからダウンロードできます。

ダウンロードできないのは「健康保険・厚生年金保険保険料口座振替納付申込書」「労働保険保険関係成立届書」「労働保険概算保険料申告書」です。

また郵送での提出が可能な届け出も多いので、ご自分でも手続きすることは充分可能です。不安な点は各官公庁の窓口で丁寧に説明してくれますので、 その場で担当者の指導を受けて書類を作成することもできます。

■税務署、都道府県税事務所、日本年金機構(旧社会保険事務所)、労働基準監督署、ハローワークへ

設立後の手続きは、税金に関しては税務署、都道府県事務所、年金や保険関係は社会保険事務所、労災保険は労働基準監督署、雇用保険はハローワークなど、 様々な役所とかかわっていく必要があり、しかも各役所の管轄と行政区画とで一致しない場合もあるので注意が必要です。

■専門家へご依頼される場合

ご自身で手続きを行う時間がない方は、専門家へ依頼するとよいでしょう。税金関係は税理士さん、公認会計士さんへ、社会保険関係は社会保険労務士さんへ依頼することをおすすめします。

当事務所では「東京税経総合会計事務所」様と提携しておりますので、会社設立後の税務会計のご相談に関しましては万全のサポートをご提供することができます。

■さあ、事前確認をし手続きをはじめましょう!

ご自身で諸手続きを行うにはこの「会社設立後の手続きについて」をご覧になり、提出先、提出書類、提出期限をご確認の上、必要な手続きを行ってください。

何度も足を運ぶことにならないように、各官公庁に行く前には、事前に電話等で届け出に必要な物を確認してから行くことをおすすめいたします。

※手続きを進めるにあたっては、ご自分の会社の本店所在地を管轄する【1】~【6】の官庁の所在地、電話番号を一覧表にしておくと、効率よく手続きを行うことができます。

【1】税務署

【2】都道府県税事務所

【3】役所(役場)

【4】日本年金機構(旧社会保険事務所)

【5】労働基準監督署

【6】公共職業安定所(ハローワーク)

【7】特許庁

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最低限、提出すべき書類

◆従業員を雇用しない場合◆

◎は従業員を雇用しない場合でも、必ず提出すべき書類。

●は義務ではありませんが、節税効果の高いことから、ほとんどの事業主が申告します。

(1)税務署
〔◎〕法人設立届出書
〔◎〕給与支払い事務所等の開設届書
〔●〕青色申告承認申請書
(2)都道府県税事務所
〔◎〕法人設立届出書
(3)市町村役場
〔◎〕法人設立届出書(東京23区内に設立の場合は不要)
(4)日本年金機構
(旧社会保険事務所)
〔◎〕健康保険・厚生年金保険新規適用届書

◆従業員を雇用する場合◆

◎は従業員を雇用しない場合でも、必ず提出すべき書類。

○は従業員を雇用した場合に必要な書類。

●は義務ではありませんが、節税効果の高いことから、ほとんどの事業主が申告します。

(1)税務署
〔◎〕法人設立届出書
〔●〕青色申告承認申請書
〔◎〕給与支払い事務所等の開設届書
(2)都道府県税事務所
〔◎〕法人設立届出書
(3)市町村役場
〔◎〕法人設立届出書(東京23区内に設立の場合は不要)
(4)日本年金機構
(旧社会保険事務所)
〔◎〕健康保険・厚生年金保険新規適用届書
〔○〕健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届書
(5)労働基準監督署 〔◎〕労働保険保険関係成立届書
〔○〕労働保険概算保険料申告書
〔○〕適用事業報告書

それでは設立後の具体的な手続きについて、①~⑥の6つの官公庁ごとに、提出する書類をまとめましたので、添付書類や提出期限に注意して手続きを進めてください。

  • 【1】税務署
  •  
  • 【2】都道府県税事務所
  •  
  • 【3】町村役場
  •  
  • 【4】日本年金機構(旧社会保険事務所)
  •  
  • 【5】労働基準監督署
  •  
  • 【6】公共職業安定所(ハローワーク)

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【1】税務署へ提出する書類

法人を設立すると国に法人税を納める必要があります。したがって「法人設立届出書」は必ず提出する必要があります。税務署へ提出する書類はホームページからすべてダウンロードすることができます。

【(◎)は必須手続き、(●)はできればした方がよい手続き、それ以外は必要になった場合に行う手続き】

◆提出書類名の箇所をクリックすると記入例がご覧いただけます。

提出書類の名称
添付書類
提出期限
〔◎〕法人設立届出書
法人税の納税対象となったことを届け出る書類。
※1法人設立届出書は、各都道府県税事務所および市区町村役場にも提出する必要があります。
※2資本金一億円以上の法人の場合は、2通必要になります。
・定款のコピー
・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
・株主名簿のコピー
・現物出資があるときは出資者の指
名、出資金、出資の目的物の明細
を記載した書類
・設立時の貸借対照表
設立より2カ月以内
〔◎〕給与支払事務所等の開設届出書
給与の支払いが発生する事務所であることを届け出る手続き。

なし

※給与の支払いが全く発生しない場合、本来は不必要ですが、税務署としては届出をするのが望ましいとの見解なので◎とさせていただきました。

設立より1カ月以内

 

〔●〕青色申告承認申請書
青色申告の適用を受けるために必要な書類。
なし 設立より3カ月以内、もしくは事業年度の終了日のいずれか早い方の期日
棚卸資産の評価方法の届出書
決算期ごとの商品の在庫をどのように評価するかを届け出る書類。
なし 設立第一期の確定申告書の提出期限日
減価償却資産の償却方法の届出書
年々消耗していくような資産(例えば自動車など)をどのように評価するかを届け出る書類。
なし 設立第一期の確定申告書の提出期限日
源泉所得税の納期の特例の承認に関する届出書
従業員が10名未満の会社で、本来は毎月、納付する源泉徴収を、 半年に一度まとめて納めることが出来る制度を利用する場合のみ必要な書類。
なし 特になし(納期の特例を受けようとする年の12月20日まで)
消費税の新設法人に該当する旨の届出書
資本金が1,000万円以上の法人の場合のみ必要な書類。
なし 事由が生じた場合、速やかに

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【2】都道府県税事務所、【3】市町村役場へ提出する書類

都道府県税事務所、市町村役場にもそれぞれ「法人設立届出書」を提出する必要があります。

ただし東京23区内の法人は都税事務所への提出だけでよく、区役所へ書類を提出する必要はありません。これは特例として市町村民税も併せて都民税として都税事務所が徴収するためです。

提出書類の名称
添付書類
提出期限
〔◎〕法人設立届出書
法人税の納税対象となったことを届け出る書類。
※東京23区内の法人は各区役所への届け出は必要ありません。特例として市町村民税も併せて都民税として都道府県税事務所に申告して納めるためです。
・定款のコピー
・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
自治体によって異なる。設立より2カ月以内のところが多いが、東京都と大阪府は15日以内
◆法人事業税・法人住民税について

つぎに都道府県税事務所、市町村役場にこの「法人設立届出書」を提出することによって徴収される法人事業税、法人住民税の内容についてご説明します。

(1)法人事業税の説明

法人が行う事業に対して都道府県が法人に課す税金です。
納める額は、所得×税率となります。税率は資本金の額と所得の大きさによって異なる税率が適用されます。

(2)法人住民税の説明

都道府県および市町村が法人に課す税金です。

法人住民税の中には、「道府県民税」と「市町村民税」が含まれます。

道府県民税は「均等割」「法人税割」「利子割」からなっており、市町村民税は「均等割」「法人税割」からなっています。

均等割額は会社の資本金の額によって、自治体ごとに納税額が決められています。

法人税割額は法人税額×倍率となります。税率は資本金と従業員数に応じて決められています。

<法人住民税の内訳>

法人住民税の内訳をまとめると以下の表のようになっています。

※東京都は特例として市町村民税も併せて都民税として納付するため、東京都を除いて道府県民税となっています。

法人住民税

道府県民税※ 均等割額
資本金・従業員数等に応じて課税される。
法人税割額
法人税額を基礎として課税される。
利子割額
預貯金の利子に5%課税される。
市町村民税
均等割額
資本金・従業員数等に応じて課税される。
法人税割額
法人税額を基礎として課税される。
★ 税務署、都道府県税事務所に提出する場合に気をつけていただきたいこと ★

法人を設立する住所によって、税務署、都道府県税事務所の手続きが異なります。以下に実例を挙げておきますので、参考になさってください。

<「法人設立届出書」の手続きの例1>

◆東京都板橋区小豆沢に会社を設立した場合

①税務署(板橋税務署) 提出期限:2カ月
②都税事務所(豊島都税事務所):提出期限:15日

<「法人設立届出書」の手続きの例2>

◆大阪府大阪市北区梅田に会社を設立した場合

①税務署(北税務署): 提出期限:2カ月
②府税事務所(なにわ北府税事務所): 提出期限:15日
③市税事務所(船場市税事務所): 提出期限:2カ月

<「法人設立届出書」の手続きの例3>

◆神奈川県三浦郡葉山町に会社を設立した場合

①税務署(鎌倉税務署): 提出期限:2カ月
②県税事務所(鎌倉県税事務所): 提出期限:2カ月
③町役場(葉山町役場 税務課): 提出期限:2カ月

※板橋区の例のように法人に関する管轄が板橋税務署から豊島税務署へ変わったところもありますので、事前に電話で確認することをおすすめします。

※提出期限に関しては、2カ月以内という自治体が多いようですが、東京都税事務所や大阪府税事務所のように15日以内のところもあります。

罰則規定があるところは少ないようですが、早めに手続きした方がよいでしょう。

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【4】日本年金機構(旧社会保険事務所)へ提出する書類

提出すべき届出書や添付書類がとても多く、提出期限も短いので注意しましょう。

また複写式の書類が多いため、ダウンロードする場合はすべてのページを印刷し、カーボンを中に挟んで記入する必要があります。

【(◎)は必須手続き、(●)はできればした方がよい手続き、(○)は従業員を雇用した場合に必要な手続き、それ以外は必要になった場合に行う手続き】

◆提出書類名の箇所をクリックすると記入例がご覧いただけます。

提出書類の名称
添付書類
提出期限
〔◎〕健康保険・厚生年金保険新規適用届書
社会保険(健康保険および厚生年金保険)の適用事業所になったことを届け出る書類。
・登記簿謄本(履歴事項全部証明書) ・事業所の賃貸契約書のコピー
・労働者名簿
・賃金台帳
・出勤簿またはタイムカード
・健康保険・厚生年金保険被保険者証(年金手帳)
・健康保険被扶養者届
・保険料口座振替依頼書

会社設立日から5日以内が望ましい

※ただし登記簿謄本が5日以内で取得できない場合、提出期限をすぎてもよい

※役員報酬が決定してからの提出となる

〔◎〕健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届書
※「健康保険・厚生年金保険新規適用届書」と同時に提出
扶養者がいる場合には「健康保険被扶養者届」と同時に提出する。

代表取締役(事業主)の分も提出が必要で「新規適用届書」と同時に提出する

※新たに従業員を雇用した場合、雇用した日から5日以内が望ましい

健康保険・厚生年金保険保険料口座振替納付申出書
口座振替を希望する場合のみ必要。

※この用紙はホームページからダウンロードできません。

なし 口座振替を希望する場合に提出
健康保険被扶養者(異動)届書
被扶養者がいる場合のみ必要となる書類。
被扶養者となる者の収入状況がわかる書類(被扶養者が失業保険受給中の場合や年金受給中の場合等、添付書類が異なりますので確認が必要です)。
異動があった日から原則として5日以内
国民年金第3号被保険者資格取得届書
被扶養者が第3号被保険者になる場合のみ必要な書類。
「健康保険被扶養者届書」の書類の3枚目に複写として付いている。
被扶養者となる者の収入状況がわかる書類(被扶養者が失業保険受給中の場合や年金受給中の場合等、添付書類が異なりますので、確認が必要です)。 事由が発生してから14日以内

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【5】労働基準監督署へ提出する書類

従業員(パート、アルバイト含む)を一人でも雇い入れる場合に必要となります。

ダウンロードできない書類があるため、最寄りの労働基準監督署で書類を入手しましょう。

労働保険保険成立届については、公共職業安定所(ハローワーク)での手続きの際に必要となりますので、まずこちらの労働基準監督署の手続きを早めにすませてしまいましょう。

【(◎)は必須手続き、(●)はできればした方がよい手続き、(○)は従業員を雇用した場合に必要な手続き、それ以外は必要になった場合に行う手続き。】

◆提出書類名の箇所をクリックすると記入例がご覧いただけます。

提出書類の名称
添付書類
提出期限

〔○〕労働保険保険関係成立届書
雇用関係が発生した場合に必要な書類。

※この用紙はホームページからダウンロードできません。

登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
労働関係が成立してから10日以内

〔○〕労働保険概算保険料申告書

労働保険概算保険料申告書と同時に提出する。
※この用紙はホームページからダウンロードできません。
なし
保険関係が成立してから50日以内
〔○〕適用事業報告書
従業員を使用するようになったら(労働基準法の適用事業になるということ)届け出る書類。
なし 労働基準法の適用事業になってから遅滞なく
就業規則届
10人以上の従業員を雇い入れた場合に必要な書類。
過半数代表者の意見書
就業規則作成後、遅滞なく
時間外労働・休日労働に関する協定届書
※この用紙は市販されています
なし 時間外労働・休日労働を行う日の前日までに

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【6】公共職業安定所(ハローワーク)へ提出する書類

手続きをする際に「労働保険保険関係成立届」が提出されていることが前提ですので、まず労働基準監督署で手続きを済ませてから公共職業安定所で手続きをするようにしましょう。

【(◎)は必須手続き、(●)はできればした方がよい手続き、(○)は従業員を雇用した場合に必要な手続き、それ以外は必要になった場合に行う手続き。】

◆提出書類名の箇所をクリックすると記入例がご覧いただけます。

提出書類の名称
添付書類
提出期限

〔○〕雇用保険適用事業所設置届書
雇用関係が発生した場合に必要な書類。

※この用紙はダウンロードできません。

・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
・労働保険保険関係成立届(控)
・法人設立届出書(控)
・労働者名簿
・出勤簿またはタイムカード
・賃金がわかるもの(賃金台帳など)
・雇用保険被保険者証
雇入れ日から10日以内

〔○〕雇用保険被保険者資格取得届書

雇用保険適用事業所設置届と同時に提出する。

同上
採用した日の属する月の翌月10日までに
 

【7】特許庁へ行うことが好ましい手続き

会社名の略称やロゴ、商品名を、他社からの差止め等を受けることなく安全に使用するために、特許庁へ商標登録を行っておくとよいでしょう。

商標登録をすれば、商標を安心して使用することができますし、他社に真似されてしまうことを防ぐことができます。

詳しくはこちらのマンガでわかりやすく説明します。

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